スコッチの歴史を少しでも知っている人には気になる一本です。

アロマは穏やかに語りかけて来る印象。香り立ちは弱め〜中程度。
トップノートでハーブと樽のニュアンス。白い花、メントール、ミント、バニラ、シナモン、全体的にフレッシュで爽やかな印象。
続いて爽やかな穀物感、少し渋めの柑橘系フルーツ、リンゴの芯。さらに時間が経ってブドウの皮、ブルーベリーの酸味を連想する香り。
フレーバーは、穀物の甘味、フルーツの甘味が樽の渋み、酸味を背景に広がり、蜂蜜のような甘さとハーブ様の爽やかさが残っていく。
フィニッシュは、フルーツの皮の苦味。樽の渋み。余韻は短め〜中程度。
フレッシュで爽やかな香味をベースにしっかりとした甘味も感じられる。熟成は短いがバランスよくまとめられている。
PS:リンドーズといえば、スコットランド王室財務省文書で最古のスコッチウイスキーの製造記録に記されている修道士ジョン・コーが属した修道院の名前として有名です。
リンドーズアビー蒸留所は、リンドーズ修道院廃墟の所有者であるドリュー・マッケンジー・スミス氏がその跡地に2017年に創業しています。ウイスキーの製造プランはあの故ジム・スワン博士が手がけ、スチルはフォーサイズ製で計3基が備えられています。設備といい、味わいといい謂わゆるクラフト蒸留所とは一線を画しているように思えます。
ボトルのデザインも好印象で、若いながらに上手くまとめられている印象でした。