ティーリング2003 サケショップサトウ50周年アニバーサリー

珍しい白ワインカスク熟成のティーリングです。

アロマはフルーティに香る。瑞々しいブドウ、すみれ、爽やかなバニラ感、イチジク、時間経過で熟した柿、ビワ、マンゴー。
フレーバーはアルコール濃度がしっかりありボディも感じるがオイリーで滑らか。爽やかな酸味が広がり、ぶどうの実の甘味、バニラの甘味が追いかける。紅茶、オーク感、イチジクのニュアンスも。
フィニッシュではハーブの苦味、ぶどうの皮のような渋みが伸びる。最後に南国フルーツのニュアンスがあらわれる。

PS:大阪のサケショップサトウの50周年記念にボトリングされたアイリッシュウイスキー、白ワインカスク熟成のティーリングです。
ティーリング蒸溜所の創業が2015年でこのウイスキーの蒸留が2003年ということを考えると、原酒は創業者ティーリング兄弟の父親ジョン・ティーリング氏が当時経営していたクーリー蒸溜所のものでしょうか。
南国フルーツ感に瑞瑞しさが加味された良い意味でフルーツ感溢れる味わいでした。

アーーーーーードベック

アードベック蒸溜所のアーーーーーードベックです。

アロマは草っぽいピート、柑橘フルーツ、ヨード、魚介類の燻製、メントール、ハーブ、白い花。
フレーバーはスパイシー感をベースに甘く柔らかく広がるピート、続いて柔らかいソルティ感。その後柑橘系フルーツの爽やかさ、魚介類の甘さが広がる。
バーベキューで焼いた魚の旨味が主張。
フィニッシュは甘いピート感、麦芽の甘さ。

PS:このボトルは裏ラベルに記されているように13年間アードベックの蒸溜所所長を務めたミーキー・ヘッズ氏の退任に際してリリースされたボトルです。ボトルのイラストも少し垂れ目気味の似顔絵が本人の特徴をよくあらわしていて、肩に乗っているのはアードベックの愛犬、ショーティに違いありません。
アードベックファンならこのボトルの外観だけでも欲しくなるボトルでしょう。

肝心の中身も秀逸です。ライカスク熟成を施した13年熟成で、燻した魚介類の出汁の甘さのような香味が印象に残りました。

インチマリン18年

素直な酒質で熟したフルーツ感とオーク感が印象的なハイランドモルトです。

アロマはしっとりと香る。熟したフルーツ、ハーブ香、黄桃、革製品、麦芽香、ほんのりサルファリー、リンゴ飴、濃い色の花、ブドウのタルト。
フレーバーは滑らかな甘味の中にシャープに広がる酸味、ややスパイシー。後でタンニン様の渋みとハーブの苦味が広がる
フィニッシュは甘い熟したフルーツ感を伴いながら渋みが伸びる。

PS:インチマリンはロッホローモンド蒸溜所がリリースする最もクリーンタイプのモルトです。ストレートネックのスチルで2回蒸留、さらには再留ではウォータージャケットによるリフラックス効果を効かせて、3回蒸留に近い酒質を目指しているようです。このストレートネックのスチルはかつてローランドで3回蒸留を行っていたリトルミル蒸溜所の関係者の指導で製造されたというのだから納得です。

ボウモア 17年 ホワイトサンズ

奈良の生駒のバーで見つけたボウモアホワイトサンズです。

アロマはハーブを伴うピート、麦芽香、チェリー、瑞々しいフルーツ香味、草っぽい。
フレーバーは甘くさわやかなフルーツ、トロピカルフルーツ、マンゴー、パイナップル、続いて柑橘の皮っぽい酸味、渋みが追いかける。花っぽくハーブ系のニュアンスも共存。
フィニッシュでの甘み、酸味、渋みのバランスが絶妙。

PS:免税店向けのボウモア17年 ホワイトサンズです。南国フルーツ感がありバランスが素晴らしいボウモアです。現行のオフィシャルボトルも良い出来なのですが、それとは違った魅力があり貴重なボトルだと思います。

ダルウィニー30年 ディアジオスペシャルリリース2019〜2020

2020 年3月発売のディアジオスペシャルリリースのダルウィニーです。

アロマはしっとりと香る。甘さを伴うハーブ、熟したフルーツ、びわ、バニラ、糖蜜、タルト、洗練され、上品でリッチ。
時間が経って酸味の効いた青リンゴ、マスカットのニュアンスも。
フレーバーは芳醇な酸味、甘味が一気に広がり、渋みが追いかける。コンテンツの質、厚みが圧倒的。上質なアップルティー、キャンディボックス、フルーツベースの和菓子。やがて甘味酸味を伴う柔らかいオイリー感が残りフィニッシュは渋みが溶けていくイメージ。

PS:2019〜2020年のディアジオスペシャルリリースのダルウィニー30年です。長期熟成のハイランドモルトで気になっていたのですが、なかなかバーで見かけることもなく時間が経っていたのですが、発売から約1年経ってやっと出会うことが出来ました。フルーティな和菓子を紅茶と一緒に口にしているかのような感覚で陶酔感すら感じます。

インチガワー10年 2007 シグナトリー

インチガワーはスコットランド、スペイサイドのバッキーに位置する蒸溜所です。

アロマはしっとりと香る印象。バニラ、バナナ、ソルティ、リンゴの皮、黄色い花、ハーブ、花の蜜。
フレーバーは控えめな酸味、甘みの後に渋みを伴いながらバナナのようなフルーツ感。
フィニッシュで熟したフルーツの甘味がソルティ感を伴いながら続く。

PS:比較的地味な存在?かもしれないスペイサイドモルトのインチガワーですが、さり気ない魅力を放っています。強い主張をするわけではなく、ソルティ感をベースにジワジワとフルーツ感、ハーブ感が広がって行き、じっくり付き合いたくなる印象です。
そういえば人に例えても、「こんな人いるよな〜」って思わせるモルトでした。

マルスウイスキー 浅葱斑(アサギマダラ) 8年

マルスの蝶のシリーズです。美しいラベルです。

アロマ、香り立ちは豊かで様々なコンテンツが語りかけてくる印象。バニラ、杏、リンゴ、ハーブ、ピート、フェノール香。時間が経ってタンニン香、完熟フルーツ。
フレーバーはリンゴのような酸味、甘味。軽く心地よいピート感。
フィニッシュは舌に染み込むように酸味、渋味が溶けていきます。

PS:マルス信州蒸溜所の蝶のシリーズ。今回も本坊酒造ホームページの抽選では敗北し、バーで頂きました。浅葱斑を「アサギマダラ」と読めるのは漢字マニアか蝶マニアでしょうか?8年熟成のブレンデッドウイスキーの割に香味のコンテンツが多く、ほとんど未熟感は感じませんでした。

グレンリベット12年 イリシットスティル

グレンリベットの限定シリーズ「ザ・グレンリベットオリジナルストーリーズ」の第一弾です

アロマは華やかでしっかり語りかけてくる印象。アプリコット、バニラ、程よく焦げたオーク感、軽く焦がした麦芽、青リンゴ、濃い色の花、黒糖、トーストしたキャラメル。
フレーバーは滑らかに渋みが広がったあと甘みともに酸味が一気に広がる。ボディ感もしっかりありその中でフルーツ感が広がる。
ブドウサイダー、柑橘フルーツ、焼きリンゴ。重層的にフルーツ感が訴えてくる印象。ハーバルな苦味、甘みも漂う。
フィニッシュはブドウの皮の渋み。

PS:イリシットとは「不法な、不正な、禁制の」などの意味で、イリシットスチルとは「密造用の蒸溜釜」を意味します。今回のボトルは創業者ジョージ・スミスが当時、密造していたオリジナルウイスキー「グレンリベット」を想起してボトリングされているとのことで、ザ・グレンリベットの原点を表しているようです。
密造酒を思わせるボトルも素敵なのですが、それを差し置いてもこのモルトウイスキーはスペイサイドモルト12年熟成とは思えない、トースト感、ボディ感を伴うフルーティーな魅力を放っています。

厚岸 シングルモルトウイスキー 寒露

厚岸蒸溜所のシングルモルト、初のフルボトルでのリリースです。

アロマはしっかりとした主張。麦芽の甘み、潮っぽいピート、魚の燻製、焼いた野菜、燻した根菜。
フレーバーは潮っぽく深みのあるピートと麦芽の甘み。草っぽい渋み、苦み、柑橘系の酸味。やがてキャンディのような甘味がジワジワ現れます。
フィニッシュは草っぽい苦味とピート。

PS:牡蠣で有名な北海道厚岸町に2016年に出来た厚岸蒸溜所のシングルモルト、寒露を運良く口にする事が出来ました。3年熟成です。
よくありがちな若い原酒をピートで誤魔化しているレベルのモルトとは一線を画し、重厚な酒質の中に存在する複雑な香味が感じられます。
今、この寒露を楽しみながらも10年後にリリースされるであろう厚岸を想像(妄想?)してしまいます。

エドラダワー10年

ボトルデザインも味も大好きなのですが、このオフィシャボトルの10年は久しぶりに飲みました。

アロマはしっとりと香りたつ。熟したフルーツ、クリーミー、ナッツ、バニラ、時間が経ってビワ、麦芽香、葡萄の実、トーストしたリンゴ、オレンジ。
フレーバーは滑らかな酸味、フルーティな甘味、ミルクキャンディ、クリーミー。喉を通すとフルーツの果皮の酸味と渋み。
フィニッシュに向けて樽由来を感じさせるタンニン様の渋みが続く。
適度のシェリー感、フルーツ感、クリーム感がバランス良く主張。個性も放ちながらバランスも秀逸。

PS:スコットランド、ハイランドの小規模のファームディスティラリーとして有名なエドラダワー蒸留所です。2000リットル以下の小さなポットスチルと昔ながらの伝統的な設備で小規模生産を行っています。ただ蒸溜所の知名度はかなり高く、生産される原酒のほとんどがシングルモルト ウイスキーとしてリリースされています。
2018年には同サイズの第2蒸溜所が川を隔てて建てられ、所有会社のシグナトリーは多くの他の蒸溜所の原酒を所有しており、このエドラダワーの広い貯蔵庫で熟成しています。

エドラダワーは、ボトラーズやカスクストレングス、シングルカスクで流通する事も多く、良いボトルが多いのですが、久しぶりに飲んだこのスタンダード10年も流石のバランスと個性の魅力を放っていました。