リンドーズ シングルモルト MCDXCIV

スコッチの歴史を少しでも知っている人には気になる一本です。


アロマは穏やかに語りかけて来る印象。香り立ちは弱め〜中程度。
トップノートでハーブと樽のニュアンス。白い花、メントール、ミント、バニラ、シナモン、全体的にフレッシュで爽やかな印象。
続いて爽やかな穀物感、少し渋めの柑橘系フルーツ、リンゴの芯。さらに時間が経ってブドウの皮、ブルーベリーの酸味を連想する香り。
フレーバーは、穀物の甘味、フルーツの甘味が樽の渋み、酸味を背景に広がり、蜂蜜のような甘さとハーブ様の爽やかさが残っていく。
フィニッシュは、フルーツの皮の苦味。樽の渋み。余韻は短め〜中程度。
フレッシュで爽やかな香味をベースにしっかりとした甘味も感じられる。熟成は短いがバランスよくまとめられている。

PS:リンドーズといえば、スコットランド王室財務省文書で最古のスコッチウイスキーの製造記録に記されている修道士ジョン・コーが属した修道院の名前として有名です。
リンドーズアビー蒸留所は、リンドーズ修道院廃墟の所有者であるドリュー・マッケンジー・スミス氏がその跡地に2017年に創業しています。ウイスキーの製造プランはあの故ジム・スワン博士が手がけ、スチルはフォーサイズ製で計3基が備えられています。設備といい、味わいといい謂わゆるクラフト蒸留所とは一線を画しているように思えます。
ボトルのデザインも好印象で、若いながらに上手くまとめられている印象でした。

グレンリベット12年 ライセンスドドラム

グレンリベットの限定品、オリジナルストーリーズの第2段です。

アロマは優しくしっかり語りかけて来る印象。
トップノートで黄桃、黄色い花。続いてバニラ、シナモン、青リンゴ。優しい麦芽のニュアンス。背後に硫黄、ハーブ。
フレーバーはアタックで優しいフルーツの甘味、喉を通すと酸味、オークの渋味が広がる。全体的に熟したフルーツのニュアンスで樽由来のスパイス感がアクセントになっている。スタンダードのグレンリベットより酒質もしっかりとしている。
フィニッシュは樽の甘味とスパイス感。余韻は中程度。
優しいフルーツ感と時間が経って現れて来るスパイス感の絡み合いが豊かな味わいを演出している。

PS:グレンリベットの限定品シリーズ、グレンリベットオリジナルストーリーズの第2段です。今回は1824年に創設者ジョージ・スミスが初の政府公認の製造免許を受けたことに敬意を表してのリリースのようです。おそらくは当時の味の再現を試みているのでしょう。
ファーストフィルのバーボン樽とファーストフィルのヨーロピアンオーク樽熟成の原酒を使用しており、味わいからもその特徴が上手く表現されているように感じます。

アードベック ファーミュテーション

ボイラーの故障により偶発的に出来たアードベックです。

アロマはじっくりと語りかけて来る印象。トップノートで甘いピートと麦芽香。塩っぽさ、魚の皮、漁港の香り、アーシー、ほんのりシンナー。奥に柑橘系フルーツ。
フレーバーはアタックで甘くヨーグルトの様な酸味と甘味、ピート、魚の皮の苦味、海のソルティ感。
フィニッシュはピートと心地よい酸味。
魚っぽさを感じさせるピート感とヨーグルト感、合うはずもない取り合わせが絶妙にマッチ。これだからウイスキーは面白い。

PS:2007年にボイラーの故障で生産ラインが止まり、通常72時間の発酵が3週間にも及び、それを蒸留、13年間熟成させたのがこのアードベック ファーミュテーションだそうです。
通常、発酵後期で酵母による発酵より乳酸発酵が優位になるにですがさすがに3週間発酵しているとどんな反応系になっているのか想像も出来ません。
実際のテイスティングでは特徴的な酸味が印象的ですが、アードベック本来の魅力も健在でした。

ミルトンダフ2012-2021 ウイスキーMEW

ゴッホの「ひまわり」が映えるボトルです。

アロマはしっかりと語りかけて来る印象。アタックで熟したフルーツと成熟した麦芽感。黄桃、バニラ、シナモン。時間が経って蜂蜜、フルーツタルト、黄色い花。
フレーバーはアタックで熟したフルーツの甘味と酸味。背後に樽の心地よい渋みが並走。若さゆえのアルコール感が伴うがフルーツ感や樽感に上手く馴染み違和感はなく、酒質の強さとして伝わって来る。時間が経って柑橘系フルーツのニュアンスも
フィニッシュはフルーツの酸味と樽の渋み。余韻は中程度

PS:ウイスキーMEWは、山岡家秀雄氏がセレクトしたウイスキーを販売するウイスキー専門サイト。発売の度、人気が高く常に抽選販売になっています。この美しいラベルは言うまでもなくファン・ゴッホの「ひまわり」で、思わず購入しました。ボトルの中身もラベルにマッチし魅力的でした。

ウシュクベ リザーブ

生命の水という名のウイスキーです。

アロマは穏やかに語りかけて来る印象。トップノートで素朴な穀物感とやや人工的な溶剤感。続いて黄桃、熟したリンゴ、蜂蜜、バニラ・シナモン・クローブなどの樽にニュアンス、ハーブ。微かなピート香が全体的な深みを演出。
フレーバーはアタックで熟したフルーツの甘さ、酸味。続いて樽の渋味からスパイシーな質感が残っていく。余韻は中程度。時間が経つとライチなどの南国フルーツ感のヒント、甘いハーブのニュアンスも漂う。
コンテンツが多彩でバランスが良い。ゆっくり楽しみながら何杯でも楽しめそうなブレンデッドウイスキー。

PS:ウイスキーを生命の水などというとアル中と思われるかもしれませんが、ウシュクベとはゲール語で「生命の水」の意味であることは、その筋の人の間では常識のようです。ラベルもレトロな感じで酒屋で見ても目が留まります。
ノンエイジのブレンデッドウイスキーですが、適度な熟成感と嫌味のないシェリー樽後熟の魅力を存分に味わえます。

マーレイ マクダヴィッド Benchmark カリラ 2014 6年 PXカスクフィニッシュ

ペドロヒメネスシェリー樽、追加熟成のヤングカリラです。

アロマは穏やかに主張する印象。トップノートで熟したフルーツ感、樽のニュアンス。薬品、黄桃、湿った木材。少し時間が経って柔らかいピート感、燻した魚の皮、バニラ、シナモン、ミント、メントール。

フレーバーは熟したフルーツ、トースティーな穀物感、心地よく柔らかいピート、魚の旨味成分。余韻はピートを伴う柔らかく長い苦味。余韻は比較的長い。

PS:バーボンホグスヘッドで熟成後、スペイン王室愛飲のヒメネス スピノラ社のPXシェリーの空き樽で7ヵ月追熟したカリラ6年。心地よいピートとペドロヒメネスのマッタリとした甘いニュアンスが熟成年数の若さと上手くマッチしてネガティブな要素を感じさせない。

三郎丸 Ⅰ ザ・マジシャン

三郎丸蒸溜所のシングルモルト 第2弾です。

アロマはしっかりとした主張。トップノートで甘い麦芽香と柔らかいピート。アーシー感、優しいクレゾール、麦の香ばしさ、焼きおにぎり。
フレーバーは黄色いフルーツ系の酸味、甘味の後、心地よく柔らかいピート。マンゴー、バナナ、魚の旨味。
フィニッシュはピートと柑橘系の酸味。余韻は中程度。
優しくピートをベースに香ばしい穀物感とフルーツ系の酸味を楽しめます。

PS:これは2018年に新しくなった三宅製作所社製のマッシュタンと旧ポットスチルで仕込んだ原酒のもの。これでも十分美味。三郎丸では2019年に世界初の鋳造製ポットスチル「ZEMON」を導入、2020年から一部発酵に木桶発酵槽を導入しており、ますますの進化が楽しみです。

ピティヴァイク12年 花と動物シリーズ

仙台で久々にこのボトル見つけました。

アロマの立ちは穏やか。トップノートで甘いハーブと熟したフルーツ香。黄桃、枇杷、イチジク、黄色い花、茶葉、バニラ、シナモン、落ち着いた麦芽香。
フレーバーは優しい口当たり。ハーブの甘味苦味。柑橘系フルーツの酸味と甘みが、後から重なって行く。
フィニッシュはオレンジピールの渋み。
ライト〜ミディアムボディで、穏やかだが上品な主張。
時間経過で熟したフルーツ感とトースト感が加わる。カカオや醤油で焼いた菓子のようなニュアンスも。

PS:ピティヴァイクはスコットランド、スペイサイドのダフタウンにあって1993年に閉鎖した蒸溜所。この花と動物シリーズも以前飲んだ記憶はあるものの、味ははっきり覚えておらず、仙台のbar Andyでの久々の再会。
ボトリングも2000年代前半以前のはずで瓶熟の影響もあるのか、穏やかで華やかな美酒っていう印象でした。

グレンリベット14年 コニャックカスクセレクション

コニャックカスクで6ヶ月の後熟を施した14年熟成のグレンリベットです。

アロマはトップノートで甘い熟したフルーツ。完熟リンゴ、アセロラ、ハチミツ、アプリコット、黄桃、続いて、樽の甘味、バニラ、シナモン。
フレーバーで樽の甘味、渋み。ゆっくりとフルーツの酸味が広がる。甘く粘性のある優しい口当たり。
時間経過と共に青リンゴ、ハーブっぽいニュアンスが現れる。
フィニッシュは暖かい酸味、渋み。余韻は中程度。

アロマで感じる赤いりんご感がフレーバーでは青いりんご感に。時間経過でも赤から青リンゴに変化。リンゴの色の変化を楽しんでる印象もあります。

PS:バーボン樽熟成とシェリー樽熟成の原種をブレンド。さらにその一部をコニャックカスクで6ヶ月後熟させたもののようです。
アロマでコニャックカスクの影響を受けている思わせる優しく甘いフルーツ感を感じ、フレーバーでグレンリベットの元々のキャラクターを思わせる青いフルーツ感が徐々に現れます。
12年熟成のスタンダード品と飲み比べるのも面白いです。

マッカラン エディションNo.6

マッカランの限定品、エディションシリーズの最終のボトルです。


アロマはトップノートでトースト感溢れる熟したフルーツ香。焼きりんご、黄桃、僅かな硫黄感、よく焼いたスポンジケーキ、麦芽香、バニラ、タンニン、上質な木工家具。
フレーバーは甘味、酸味、渋みがバランスよく表れる。フルーツタルト、オレンジマーマレード、オークの甘みを連想。
フィニッシュは樽の渋み、甘み。暖かくホッとする余韻。
豊潤でエレガント、上質なシェリー感が漂います。

PS:シェリーバット樽、ホグスヘッド樽。アメリカンオーク樽、ヨーロピアンオーク樽。など素材や容量の異なる5種類の原種をブレンドしているとのことです。
このシリーズはシングルモルト のロールスロイスと呼ばれた往年のマッカランの片鱗を垣間見ることが出来ると思います。エレガントな熟したフルーツ感が印象的なモルトでした。