余市 ノンピーテッド

ピートタイプのジャパニーズシングルモルト ウイスキーとして異彩を放つ余市。あえてノンピートでのボトリングです。

アロマはトップノートで甘い麦感、フレッシュなフルーツ、洋梨、バニラ、シナモン、花の蜜。
フレーバーは酸味、甘味が主役、柔らかいオークの渋みが追いかける。フルーティでスイート、とても柔らかい口当たりだが、しっかりとした質感がベースに存在。酒質のしっかりしたタイプのスペイサイドモルトに近い印象。
通常のピートタイプの余市ではマスクされていたフルーツ感が主役になり、余市にはピートがなくともしっかりとした質感があることを再認識させてくれる。

PS:ニッカのディスカバリーシリーズ第一弾としてリリースされたボトル。ピートが特色の1つの余市だが、逆にノンピートの余市を味わうことで余市のしっかりとした酒質を再認識することができます。
宮城峡のピーテットタイプも同時に発売されていて、こちらも飲みましたが、個人的にはこの余市の方が断然気に入りました。

キルケラン8年カスクストレングス 56.9°

リチャーしたオロロソシェリー樽8年熟成のキルケランです。

アロマは穏やかだがしっかりした主張。トップノートで熟したフルーツ感と濃厚な樽香。黄桃、ドライアプリコット、ブラックベリー、クローブ、シナモン、オレンジタルト、素朴な麦芽香、軽い溶剤感、なめし革、上質な木製家具。
フレーバーはアタックでソルティ感をベースに柔らかいフルーツの甘味、麦芽の甘さ。心地よい柑橘系フルーツの酸味が続き、淡いタンニン様の渋みとフルーツの甘さがフィニッシュに向けて舌の上で溶けて行く。

柔らかく口の中で馴染む、樽感と甘いフルーツ感が秀逸、アルコール度数の高さからは想像できない滑らかさと上品な質感を楽しめる。またアロマとフレーバーがシンクロしている印象でバランス感も素晴らしい。

PS:リチャーしたオロロソシェリー樽での8年熟成でカスクストレングスでのリリース。
ボトルではなかなか手に入らず、量り売りで購入。バーで見かけたら、キルケランの好きな人、シェリー樽熟成の好きな人には是非飲んで頂きたいモルトです。

オーバン14年

常飲しているモルトではありませんがたまに飲みたくなります。

アロマは穏やかに訴えかけてくる印象。トップノートは瑞々しいフルーツ、ソルティ感。続いてバニラ、マスカット、白い花、ハーブ系の香り、レモン水。
フレーバは口に含むと滑らかに渋み、酸味、甘みが協調して現れる。ハーバルでソルティ、花びらを齧ったような渋み、喉を通すとソルティで甘みを伴いながらハーブ系の酸味のフレーバーが続く。
全体的に柔らかくてリッチ、適度な熟成感が心地良く広がります。

PS:オーバン蒸溜所はスコットランド本島、西ハイランドに位置する港町に位置する蒸溜所です。ディアジオ系列の蒸溜所としては、生産規模も小さく一般に良く飲まれているシングルモルトとは言えないと思うのですが、古くからUD社のクラシックモルトシリーズの1本として選ばれていて、愛好家も多いように思います。またディアジオ系列の蒸溜所で唯一全ての原酒がシングルモルトとして出荷されている(ブレンデッドウイスキー原酒としては使われていない)ことでも有名です。

スプリングバンク10年 ローカルバーレイ 2010-2020

2019年瓶詰めのローカルバーレイも素晴らしかったですが、この2020年瓶詰めのものも秀逸です。

アロマは華やかかつ、落ち着いた香り立ち。トップノートで素朴な麦感と熟したフルーツ。ブラックベリー、焼きリンゴ、黒糖、ダークチョコレート、オランジェット、クローブ、甘いハーブ感。
フレーバーはアタックで熟したフルーツと麦の甘み。次に樽由来の渋み、そしてブドウ系の酸味が残っていく。ドライアプリコット、オレンジ、タンニンの渋み、ホットケーキにかけたシロップのニュアンス。
しっかりとしたボディ感を伴いながら、樽由来のスパイシー感とベリーの甘さが主張するフィニッシュに繋がる。余韻は比較的長い。

若干の若さを感じるものの、しっかりとしたボディ感をベースに、素朴で懐かしい麦感、熟したフルーツ、樽由来の甘味が絡み合い、極上のハーモニーを奏でています。

PS:凄く美味しかった2019年ボトリングの前作で終了かと思っていたローカルバーレイですが、2020年ボトリングがリリースされました。今回はシェリー樽熟成です。
去年飲んだ2019年ボトリングのものが、トロピカルフルーツのニュアンスがあり印象的でしたが、今回はシェリー樽熟成のニュアンスが前面に出て違った魅力があります。
量り売りで、100cc程手に入れることが出来きました。流石に暑い時期に何杯も飲みたくなるようなモルトではなく、少し経って秋の涼しさを感じながら、改めてゆっくり飲みたいモルトです。

ダフトミル2009 サマーバッチリリース

昔ながらの農場兼蒸溜所が毎年少量生産でリリースするモルトウイスキーです。

アロマはしっかりと濃厚な香り立ち。熟したフルーツ、ブラックベリー、ドライアプリコット、クローブ、黒糖、オレンジタルト、オランジェット、優しい麦感、奥に溶剤、硫黄感。時間が経ってハーブ、草っぽい蜂蜜感。
フレーバーはアタックで熟した果実の甘み。徐々にフルーツの酸味が現れ、優しい樽の渋みが残って行く。口当たりは柔らかく舌の上を滑る感覚。ハーブ、蜂蜜、優しく甘い麦芽感。マスカットのニュアンスも共存。

凄くリッチで心地よいモルト。ピート以外の様々な要素を堪能出来ます。

PS:ダフトミルはスコットランド、ローランド、ファイフ地方の農家、カスパード家が造るモルトウイスキー。領地内で収穫された大麦麦芽を使用して、農閑期に当たる真夏と真冬に少量生産されています。少量生産でこの蒸溜所のウイスキーにはなかなか出会えないのですが、バーなどで見かけると必ず頂いています。このボトルは勿論2009年の夏に仕込まれたもので、たまたま酒屋の量り売りで見かけたものです。

グレンギリー ワインカスクマチュアード 1999-2018

ワイン樽熟成の魅力を堪能出来るモルトです。

アロマは優しくしっとりと香る。プラム、チェリー、レッドベリー、熟したフルーツ、ブドウのタルト、爽やかな麦芽香、優しい硫黄感。

フレーバーは酸味、甘味、渋みが優しくバランス良く主張。口当たりは舌の上を滑るように滑らかで、心地よく樽由来の渋みが残る。フレッシュな赤いフルーツ感、黒糖、キャラメル、葡萄の搾り汁、若干の硫黄感が良いアクセントになって全体の印象をリッチにしている。
フィニッシュはタンニン感を伴う葡萄の皮のような渋み。余韻は比較的長い。

PS:シャトーラグランジュの赤ワイン樽で熟成させたグレンギリー。グレンギリー蒸溜所はサントリーが所有しながらも、わりと地味な存在ですが、このボトルは赤ワイン樽熟成魅力を堪能出来つつも控えめな硫黄感が上手くアクセントになっていて秀逸な出来だと感じました。量り売りで気に入ったので、フルボトルを購入してしまいました。

桜尾 シングルモルトジャパニーズウイスキー

桜尾ジンで既に知られている桜尾蒸溜所から初のシングルモルトウイスキー、桜尾と戸河内がリリース。

アロマは若くて甘い麦芽香、ややフェインティ、淡いピート感、奥にハーブ、黄色い花、柑橘フルーツ。
時間が経って麦の甘味が際立つ。
フレーバーは穀物の甘さ、ピートとソルティ感を伴いながら爽やかなフルーツの酸味が舌の上で弾けるように広がる。徐々にバニラ、シナモンの樽由来の甘さとタンニン様の渋みが残る。
時間は経ってフレーバーでも麦芽の甘さ、レモンピール様の酸味が、より強く主張してくる。
余韻は比較的短い。

PS:このシングルモルト 桜尾は、アロマで若さやアルコール感が気になるが、フレーバーでは麦芽の甘さ、フルーツ感、樽由来のシナモン、バニラ感が絡みあって面白いです。ソルティで、ややスモーキーなのは海の近くの熟成庫の影響か?
それにしても戸河内と桜尾は全くキャタクターが異なり、上手い商品ラインナップだと思います。

戸河内 シングルモルト ジャパニーズウイスキー

もう既に桜尾ジンでおなじみの桜尾蒸溜所の初のシングルモルト 。桜尾と戸河内の2種類がリリースされました。

アロマは穏やかで優しい。フルーティでエステリー。優しい麦芽香、瑞々しいフルーツ、アロエ、イチジク、マスカット、山ブドウ、プラム、バニラ、シナモン、ややアルコール感が背後で主張。
フレーバーは爽やかで瑞々しい甘味、酸味。徐々に控えめで優しく渋みが現れる。
プラムや白桃のような甘味、酸味。マスカットのような瑞々しさが心地良い。
熟成年数は3年程度と思われますが、若さ故のネガティヴな要素を殆ど感じない。アロマとフレーバーの印象がマッチしていてバランスが良い。
フィニッシュはプラムの酸味、樽の甘味、渋み。
余韻は比較的短め。

PS:中国醸造の桜尾蒸溜所がリリースするシングルモルト 戸河内です。蒸溜所が2017年オープンなので3年ちょっとの熟成だと思います。戸河内は広島の山奥、戸河内トンネル内で熟成させたもので、同時期に発売されたシングルモルト桜尾が蒸溜所の海近くの熟成庫で熟成されているのとは対照的です。
熟成庫の違いだけが桜尾と戸河内の個性の違いに結びついているのかは分かりませんが、この2つのブランドは若い熟成年数ながらまったく異なる独自の魅力を放っています。

静岡プロローグW

プロローグKに続く、静岡蒸溜所の2本目のリリースです。

アロマはしっかりと語るかけてくる印象。フレッシュなオーク香、バニラ、シナモン、ハーブ、メントール、白い花、メープルシロップ、メロン、背後にピート、焦げっぽいトースト感。
フレーバーは口に含むと甘み、渋みが主張し喉を通すと酸味が心地よく広がる。ソリッドなしっかりとした酒質。バニラ、シナモンのオーク由来の甘さ、麦芽の甘さ、出来たての木工製品、レモン系の柑橘フルーツ、ハッカ、メントールのニュアンス。
フィニッシュはフレッシュな酸味、渋み、オーク由来の甘みがバランス良く続く。余韻は中程度。

元々の原酒の特徴なのか、フレッシュなオーク感、メントールのニュアンスの主張が個性的。ここの好き嫌いで飲み手の評価は別れそうです。プロローグKより酒質が厚く、リッチな印象を感じました。

PS:静岡蒸溜所がリリースする2本目のシングルモルト 。ファーストリリースは初留に軽井沢蒸溜所から買い取ったスチルで蒸留したものでしたが、今回は初留を薪の直火焚きによるフォーサイズ社製のスチルで行ったものです。
どちらも独特なフレッシュなオーク感を感じますが、これはこの蒸溜所の個性なのかもしれません。発酵槽にも杉の木を使っていたり、蒸留所の建物自体に杉の木が多く使われていることが関係あるのかもしれません。今回のボトルの酒質は厚く、トースティな印象でこの独特のオーク感との相性が良く、プロローグKよりこのWの方が断然好みです。

リンクウッド 12年 花と動物シリーズ

花と動物シリーズはディアジオ社がリリースするオフィシャルボトルですが、現状手に入るボトルの中では、このリンクウッドが1番のお気に入りです。


アロマはフルーティで華やか。瑞々しいリンゴ、マスカット、スミレ、ミント、蜂蜜、爽やかな麦芽香、ややソルティ。
フレーバーは柔らかく、甘い。フルーツの酸味が追いかけ渋みが背後で良いアクセントに。リンゴの蜜、マスカット、ハーブ、フルーツケーキのニュアンス。
フィニッシュはフルーティな酸味、甘味。余韻は中程度。

アロマ、フレーバーともにコンテンツの種類が多くリッチ。スペイサイドモルトの魅力を堪能出来る。

PS:リンクウッドはスコットランド、スペイサイドのエルギンに位置する蒸溜所で、オフィシャルスタンダードとして手に入るのは二羽の白鳥が描かれた、この「花と動物シリーズ」のみだと思います。このオフィシャルボトルでも元々の素性の良さが充分に味わえますし、ボトラーズで出回るものも気になるものが多いです。